「ぼくらの勇気」と「LOVEあい」

少年時代の僕に愛と勇気を教えてくれたのはKinki Kids(以下:キンキ)であった。生まれて初めて、自分のお小遣いで買ったシングルCDは「ジェットコースターロマンス」だ。大人になったら、こんな遊園地に行って、まさにジェットコースターのような夏を過ごすんだろなあ。と当時は子どもながらに妄想した。実際には虹が飛び散るどころか絶叫マシーンでよだれをまき散らし、君をさらう余裕やぼくの手をギュッと抱いててなんて言うゆとりなどなく、刃牙の花山薫がごとくてめえの身体を支える安全バーを脅威的な握力をもって握りしめることになるのだが。現実においてジェットコースターなロマンスは難しい。山下達郎さんが作詞作曲を担当。今聴くと、王道のジャニーズソングでありながらも夏のシティポップ感がたまらないさすがの仕上がりだ。頭の中で達郎ボイスで脳内再生余裕である。


amazonだとジャケがなかったが、海外サイトではジャケ写付きでがっちり売られている。


僕は剛くん推し。歌唱力やドラマの役柄、その演技が好きだった。今なお好きなアーティストの1人である。「金田一少年の事件簿」のドラマ化によって、以降、日テレ土9枠は僕の週末の楽しみとなり1997年にはキンキそろい踏みのドラマ「ぼくらの勇気〜未満都市〜」がスタート。「金田一少年」と「銀狼」が共演だと!?(厳密には違うけど)少年の僕の胸は高鳴った。荒廃した近未来、隔離された地域で未成年たちがサバイヴし、ロマンスもする。今思えば厨二感溢れる世界観にグッと引き込まれた。未満都市と書いてMIMAN CITY(みまんシティ)と読むあたりもダサくて最高である。嵐の松潤様や相葉くんの初連ドラ出演作だったりジャニーズファンにとっては他キャストも豪華で、学校の女子たちが月曜日の教室できゃあきゃあ盛り上がっていたのが印象的だ。このドラマのおかげで、僕は好きなコと話題が共有出来て嬉しかった。

そんな「ぼくらの勇気」はいろいろな問題?もあってセル化されておらず、幻のドラマとして封印されてきた。今年、その沈黙を破り20年ぶりにオリジナルドラマとして地上波放送されるという。理由は最終回の約束を本当に果たすためだ。ミレニアル中〜後期、Z世代を完全に置き去りにした、アラサーホイホイ企画。胸が熱くなるじゃないか。


via:Ame-No-Uta FS


さらに、キンキの看板バラエティだった「LOVE LOVE あいしてる」も復活するという。吉田拓郎先生との共演がまた見られるなんて。僕はキンキがギターを弾く姿に憧れて、アコースティックギターの激安セットで購入したくらいにこの番組が好きだった。この、吉田拓郎という、腕っこきの殺し屋みたいな風貌の人は誰なんだろう。世間知らずの少年はキンキから尊敬の眼差しを受ける吉田拓郎さんに対しても畏敬の念を持つようになっていた。LOVEあいを皮切りにブレイク、サイコキャラを炸裂させていた篠原ともえさんも登場するようで見逃せない。シノラーファッションを見せてくれることを期待したいし、もう全部だきしめたい。