TOWKIO DEBUT ALBUM 「WWW.」 トーキヨーがデビューアルバム「WWW.」を成層圏からドロップ

via XXL mag 

シカゴを拠点とする日本とメキシカンのハーフTOWKIOがアルバムをリリースした。まずは少し個人的なエピソードを交えてこのトーキヨーを紹介したい。

数年前、幼なじみのいとこが夏休みにNYからはるばる田舎の山梨にやってきた。ヒップホップが好きなNYのティーン。山梨滞在中は畑を手伝ったり、NYにはない自然を満喫していた。彼もまたトーキヨーと同じく日本人とメキシカン系のハーフだ。母が日本人で、父親がメキシカン系。(トーキヨーは父が日本人で母がメキシコ人。)日本語はわかるがあまり話すのは上手じゃないらしい。だがヒップホップが好きという共通項でコミュニケートすることが出来た。今(当時)イケてるラッパーは誰だと思う?と質問してみたところ、「Drake、Kendrick Lammer、Meekmill」という答えが返ってきた。なるほどやっぱりそうか。と感心したところで、これからブレイクしそうなアーティストを尋ねた。彼は僕に当時のレイ・シュリマーとトーキヨーをサウンドクラウドを介して教えてくれた。その車内での音楽談義は楽しかったのを覚えている。

トーキヨーのデジタルアルバム「.wavTheory」はサウンドがとても新鮮だった。同郷でクルーメイトであるヴィック・メンサ、チャンス・ザ・ラッパーやサウンドクリエイターLidoなどがフィーチャリングで参加。トーキヨーの魅力とそのポテンシャルを知るには充分過ぎる内容だ。

Towkio - Heaven Only Knows (feat. Chance The Rapper, Lido & Eryn Allen Kane) via YouTube

時は経ち2018年。トーキヨーの正式なデビューアルバムとなる「WWW.」が発売。宇宙服を着たトーキヨーが遺跡の前にたたずんでいる姿がアートワークに映し出されている。先行カットの2 Da Moon feat.Teddy Jackson & Grace Weberのタイトル同様、宇宙に関連するファクターが散りばめられたこのアルバムを、トーキヨーは驚きの方法でドロップした。というか、発売日のアメリカ時間11:11に上空30キロ10000フィートの成層圏から本人ごと文字通りの“ドロップ”を敢行したのだ。その模様がこちらである。鼻ピアスしたまま成層圏に行ったのはトーキヨーだけではないだろうか。

Towkio - "THE OVERVIEW EFFECT" (RAPPER DROPS ALBUM FROM SPACE) via YouTube

ふざけているのかと思いきや、真剣そのもの。後半は「アポロ13」でも見ているかのような緊迫感だ。命がけのリリースを果たした前人未踏のデビューアルバムWWW.はSZAやヴィックメンサらを迎え、トーキヨーの現在進行形のサウンドがコンパイルされた1枚となっている。ひとまずはデビューアルバムが最後のアルバムとならずによかった。それは本人が一番自覚し、安堵していることだろう。