フォードVSフェラーリ 感想

マット・デイモン、クリスチャン・ベイルの豪華共演が話題の映画。クルマやル・マンレースにさほど知識が無くても楽しめた。1960年代のクルマってもうすでにこんなに先進的だったんだなとか、ワークウェアや古い企業ロゴがかっこよかったり、フェラーリはこの頃から、他者の追随を許さない先を行く自動車メーカーだったということが分かる。そしてアメリカ人ならではの図々しさやあさましさ(よくも悪くも。イメージだけどね)を清々しく描き、アメリカ企業(フォード)の体質がリアルだった。勝負の世界にはきれい事なんか通用しなくて、勝つことが正義である。そんな過酷な環境に身を置く孤高のピュアレーサー、クリスチャン・ベイル演じるケン・マイルズが家族の愛や仲間との絆を育んでいく過程が美しい。王道の少年漫画的努力・友情・勝利が詰まった作品。とはいえ、ル・マン24での快挙を単純な美談にせず、その裏側、内情を明かしているところも好感が持てる。時代背景の古さを感じさせずに魅せる演出と迫力ある映像が醍醐味。マスタングに乗りたくなるしコーラがとにかく飲みたくなる映画。