WAVES
誕生日に、ほぼ貸切状態の映画館で観てきた。“プレイリストムービー”という触れ込みで、RADIO HEAD、KANYE WEST、KID CUDI、FRANK OCEAN、TAME IMPALA、ANIMAL COLLECTIVEなどなど、豪華アーティストの楽曲がふんだんに、かつ効果的に使われていた。しかし、アーティストの楽曲以外にオリジナルスコアもめっちゃ良かったし、映画単体で観てもいい作品だった。
家族という複雑な集合体、愛と憎しみや死生観。いろいろなものが交錯しつつ希望を見出していく物語。前半と後半で全く趣きが変わって来て、後半はロードムービー好きな人にもおすすめだ。
主人公である兄タイラーと妹役のエミリーの俳優が感情移入しやすくてとても良かった。タイラーの自分の努力とは裏腹に何事もうまくいかないっていうフラストレーションはすごく共感できる。彼に必要だったのは彼に寄りそう理解者だったんだろう。彼を救う理解者が本当は近くにいたかもしれないのに、見つけることができなかったことがタイラーの本当の悲劇と言える。エリートに育ったからこそのプライドによって、自分の脆さや、身体は立派に大人なのに精神は未成熟なまま乖離してしまっている現実を、受け入れられないのはすごく苦しかっただろうな。
映像と音楽によって美しく紡がれる、家族の物語はきっと誰もが共感しうる要素を含んでいる。
ポッドキャストの最新エピソードでは家族の話を取り上げている。
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