日本の70年代 1968-1982

70'sってなんだ

このところ僕の目に1970年代というキーワードとそれにまつわるニュースがなんとなく多く目に映る。気がかりなトピックスだ。Netflixのザ・ゲットダウンにハマっている。舞台は1970年代後半のNY。ヒップホップの夜明けとともに繰り広げられる暴力と音楽と愛が詰まっているヒップな青春群像劇だ。ハイロック氏と岡崎秀吾氏がパーソナリティを務めるblock.fmのプログラム、「嗚呼!花の帰宅部」では、ゲットダウンの時代背景と比較し、当時の日本では何が起こっていたのかを、ハイロック氏が論じていた。本人が運営するウェブメディア「HI-VISION」に詳細がまとめられている。ポパイの創刊40周年号では40年前の創刊号が丸々一冊付録(といっていいのか)でついてきた。創刊は1976年である。特集内容は40年後の西海岸であった。友人が内容の一部、制作に携わった最新号のケトルでは魔法少女を特集。1966年「魔法使いサリー」に端を発し、1969年「ひみつのアッコちゃん」から「プリキュア」シリーズや「まど☆マギ」「ふらいんぐうぃっち」などに至る現在までの魔法少女の系譜を紐解いている。かと思えば、吉田美奈子さんのTOWN/恋は流星のレコードが再プレスされたり。僕は割と新しいもの好きなミーハー野郎なので無意識のうちに、新鮮さを感じているのかもしれない。決して懐かしいという感覚ではないことは確かだ。

1968-1982

2012年に埼玉県立近代美術館で行われた、日本の70年代展。その図録を、仕事をともにしたカメラマンが僕が何を言うわけでもなく、「これ、読んでみてよ」と手渡してくれたものだ。1968年〜1982年の、広告、雑誌、漫画、写真作品や芸術作品などが並んでいる。そこには、混沌としながらも、活き活きとした世界が広がっているような気がしてならない。
展覧会主催者挨拶にはこうある。
学生運動の激化や大阪万博の熱狂など、1968年から1970年頃の日本は熱い時代を迎えていました。同じ頃、様々な分野の表現者が大胆に交ながら、芸術の根源から問い直そうとする動きが起こります。
(中略)
消費に向けて時代が大きく変化した70年代後半になると、美術では原点から再出発するように絵画が復権します。若者文化を取り上げる雑誌が次々と創刊され、軽やかで、日常的なイラストレーションが表紙を飾ります
(中略)
本展は埼玉県立近代美術館が開館し、美術館ブームと呼ばれた1982年までの15年間の時代の精神を、美術、デザイン、建築、写真、演劇、音楽、漫画などによって回顧しようとするものです。
として、最後に感謝の言葉を添え主催者挨拶は結ばれている。なるほど。この一冊に70年代に漂う日本の匂いを嗅ぎ取ることができるかもしれない。
当サイトの共同管理人/編集者たちは、アニメ、特撮、和物レアグルーヴ好きや、ヴィンテージファッション、芸術などいずれも、70年代の事柄に強く、多くの知識を有している人たちだと思う。僕は割と疎いので、今、意識的に見直してみるのも面白い。

text/SNYZY・PINKS

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